2014-01-01から1年間の記事一覧

江戸時代の学問の興隆

近世3 (岩波講座 日本歴史 第12巻)作者: 大津透,桜井英治,藤井讓治,吉田裕,李成市出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書第7章は、前田勉氏執筆による「儒学・国学・洋学」である。江戸時代は…

韓国の中国への歴史的感情について

韓国の日本への歴史的感情は棚に上げ、中国への歴史的感情について考えてみたい。北東アジアの歴史と朝鮮半島 (放送大学教材)作者: 吉田光男出版社/メーカー: 放送大学教育振興会発売日: 2009/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書を読むと、朝…

法然に学ぶエリートのありかた

日本の仏教 (岩波新書)作者: 渡辺照宏出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/06/12メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (19件) を見る およそ仏教が仏教としての本質を見失わない以上は、一つの厳然たる基準がある。それは人間が人間的実践に…

「働かないオジサンになる人ならない人」楠木新著

人事のプロが教える 働かないオジサンになる人、ならない人作者: 楠木新出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2014/06/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る著者の他書に書かれていることのおさらいという面も強い本だが、とくになるほど!と思…

「日本近代史」坂野潤治著

日本近代史 (ちくま新書)作者: 坂野潤治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/03/01メディア: 新書購入: 7人 クリック: 116回この商品を含むブログ (42件) を見る幕末から日中戦争まえでの、日本近代の政治の流れを、一冊にまとめた本である。これ程長く複…

「自分メディアはこう作る!」ちきりん著 著者のブログの考え方

「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記作者: ちきりん出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る大変面白かったので、2日連続で紹介する。今回は、人気ブログに至った経緯を描い…

「自分メディアはこう作る!」ちきりん著 日本型雇用について

「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記作者: ちきりん出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/11/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る大変読みやすく、かつ色々なことを考えさせられる本。前半では、著者のブログが、…

「育休世代のジレンマ」中野円佳著

「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)作者: 中野円佳出版社/メーカー: 光文社発売日: 2014/09/17メディア: 新書この商品を含むブログ (22件) を見る学校で優秀な成績を修め、優良企業に入社した女性たちが、ジレンマを抱える実…

奈良律令国家の職能給・職務給

古代3 (岩波講座 日本歴史 第3巻)作者: 大津透,桜井英治,藤井讓治,吉田裕,李成市出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/09/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書第3章は、大隅清陽氏執筆の「律令官僚制と天皇」である。ここには、人事…

「サラリーマンは、二度会社をやめる。」楠木新著

サラリーマンは、二度会社を辞める。 日経プレミアシリーズ作者: 楠木新出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2012/11/09メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る会社生活の前半・後半それぞれの振舞い方について述べる。前半…

男女共同参画社会における家事労働について

(11月9日追記)本内容について、つらつら考えていたが、お金や経済の世界だけ考えると、以下のとおりとなるが、助け合いとか中間団体といったところまで視野を広げれば、もっと別の発想もあるかもしれないと考えた。これからも思索を深めていきたい。 男…

NHKEテレ 将棋電王戦特集

10月25日(土)11:00〜12:00に放映された番組を見た。これは、将棋のプロ棋士5名とコンピューターソフトが対戦するもので、前回は今年3〜4月に行われ、コンピューターソフトの4勝1敗という結果だった。コンピューターソフトがここまで強…

「わたしのお遍路みち」山下正樹氏(NHKEテレ)

楠木新氏のブログで紹介されていたのを拝見し、 10月18日(土)13:00〜14:00に再放送が放映されたのを見た。 http://blog.livedoor.jp/kusunoki224/山下氏は、大手銀行に勤務していたが、40代半ばで出向を命じられ、また50代で1カ月入院…

「日本の年金」駒村康平著

日本の年金 (岩波新書)作者: 駒村康平出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/09/20メディア: 新書この商品を含むブログ (7件) を見る国の制度としての年金について、体系的に学ぶことができる。 一方で、色々な要素が各所にちりばめられているので、筋を追…

「働かないオジサンの給料はなぜ高いのか」楠木新著

働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書)作者: 楠木新出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る日本の雇用制度の中で、成果の高くない中高年の処遇はなぜ高いかを述べる。しか…

コーリング(天職)について

我無駄無さんより、コーリングについて、以下コメントを頂きました。どうもありがとうございます。 働き方には、「メンバーシップ型」と「ジョブ型」以外にもう一つ「CALLING型」があると思います。 このコメントを拝見し、以前NHKEテレの「幸福学白熱教…

「律」に学ぶ生き方の智慧 / 佐々木閑氏

「律」に学ぶ生き方の智慧 (新潮選書)作者: 佐々木閑出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/04/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (6件) を見る出家者が集まる組織「サンガ」の、特有の規則である「律」について述べる。 出家…

いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる / 海老原嗣夫氏

いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる (PHP新書)作者: 海老原嗣生出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2014/09/13メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る本書の内容をあえてまとめると、以下のとおりであろう。 1.日本型雇用と欧米型雇用…

ホワイトエグゼンプション hamachan先生のコメントについて

本日のエントリ「いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる/海老原嗣夫氏」について、hamachan先生よりコメントを頂戴しました。どうもありがとうございます。 そして、コメントにある、「いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる」にあるhamachan先…

日本の労働時間が長い理由

まずは、一世を風靡したこの本の中から。イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ作者: Clayton M. Christensen,James Allworth,Karen Dillon出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2013/03/29メディア: Kindle版この商品を含…

中世を勉強する意義 その2

「hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)」で、原口さんが日本中世について、以下のとおりコメントされていました。 ただ惜しむらくは、日本中世の記述に関しては「いやいや、ちょっとちょっと、」なので、アランさん、もしこのコメントご覧で日本中世に興味あ…

「メンバーシップ型社会」と江戸時代

著者の濱口桂一郎先生は、雇用の仕組みを「ジョブ型」と「メンバーシップ型」に分け、日本型雇用システムは後者と説明するが、他書と比較しても、本書はその説明が大変分かりやすい。若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ)作者: 濱口…

「禅と日本文化」鈴木大拙著、北川桃雄訳

禅の基本的考え方を手際よくまとめた上で、美術・武士・剣道・儒教・茶道・俳句といった、日本文化に与えた影響が、分かりやすく述べられている。むしろ、禅は日本文化の一部となっていることがよく分かる。禅と日本文化 (岩波新書)作者: 鈴木大拙,北川桃雄…

女性活躍促進と日本型雇用について

hamachan先生のブログに、「女性の管理職登用問題が昨今議論されているが、 そもそも管理職がジョブでないことが議論されていない」という趣旨の記事がありました。 おっしゃるとおり!と思いました。もっとこの点の議論を深めるべきと思います。 本気で「女…

「日本の雇用と中高年」濱口桂一郎著

本書に趣旨をまとめると、以下のとおりか。「日本型雇用システムは、若者に有利で中高年に厳しい。50年前はこのことが政策課題として認識され、ジョブ型(職務給)への移行が叫ばれていた。しかし現実には各企業は職能給型になっていった。その後知的熟練…

中世の歴史を勉強する意義

昨年末から刊行が始まった、岩波講座日本歴史を読んでいます。とても勉強になります。2年間頑張るぞ!一方で、中世史を学ぶ意義に関し、気になる記述がありました。 歴史学が・・・失った最大のものは一般の読者層であろう。・・・とりわけ中世のような、現…