NHKEテレ 将棋電王戦特集

10月25日(土)11:00〜12:00に放映された番組を見た。これは、将棋のプロ棋士5名とコンピューターソフトが対戦するもので、前回は今年3〜4月に行われ、コンピューターソフトの4勝1敗という結果だった。

コンピューターソフトがここまで強くなったのは、「機械学習」という考え方だそうだ。これは、過去の無数のプロ棋士の対戦記録を記録・分析し、どういう手を指せば勝つか、どういう局面なら有利かを覚えさせるという方法である。あるソフトは、羽生名人の指した手には、他の棋士の手より、数倍の価値を与えるというものもあった。
唯一勝利した豊島七段は、前例がそれ程多くない戦法(横歩取り戦法)を採用し、前例に頼りづらいというコンピューターの弱点を突いて、勝利した。一方、森下九段は、あえて前例が無数にある戦法(矢倉戦法)を採用し、がっぷり四つの名勝負となったが、惜しくも敗れた。

これを見て思ったのだが、コンピューター技術が将来さらに進化し、人間の歴史上の成功・失敗例を記録・分析し、人間にアドバイスする時代が来るのではないかと考えた。羽生名人の例のように、偉大な指導者・賢明な学者の行動には、高い評価点を与えるというアルゴリズムも考えられる。人生の岐路に立った時、コンピューターが、「過去同じ岐路に立った人は、10526人います。そのうち9872人は成功しました。是非チャレンジするべきです!」等と言ってくれるようになるかもしれない。将棋と比べ、はるかに情報量が多く、何をもって成功・失敗というかも曖昧ではあり、課題は多いだろうが。そして、そもそも歴史を学ぶということは、こういうことでもあるのだろうとも思った。