ホワイトエグゼンプション hamachan先生のコメントについて

本日のエントリ「いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる/海老原嗣夫氏」について、hamachan先生よりコメントを頂戴しました。どうもありがとうございます。
そして、コメントにある、「いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる」にあるhamachan先生のインタビュー記事を改めて読み返し、頭を整理することができました。
ホワエグについて、企業の置かれた状況によって、色々な目的があるのだろうと思います。

(1)かなりの割合の者を、管理職にできなくなった企業。
   ベテランのヒラ社員に残業代を払うのを、何とかやめたい「普通の企業」。
   健康第一であるのは、当然の前提。
(2)今のままの長時間労働を継続し、若手を育成したい「伝統的企業」。
   投資なので、残業代を含め、労務費をケチるつもりはない。
   こちらも、健康第一であるのは、当然の前提。
(3)これを機会に、一気に日本型雇用から欧米型雇用に転換したい企業。
(4)残業代を払わず、従業員を長時間労働させ、使い捨てにしたい
   「ブラック企業」。健康を害したら、クビにしてしまえばよい。
(5)他にも目的を持つ企業があるかもしれません。


マスコミは(4)だと考えているようですが、論外であり、ありえないですね。

hamachan先生や海老原嗣夫先生は、(1)が目的と考えておられると、理解しましたし、
この企業の割合は多いのでしょう。

一方、私は(2)が目的と考えているということが、よく分かりました。


ところで、hamachan先生は、「無制限に長時間労働を可能にしたいということであって、
それはまさに現行法で可能」とおっしゃいますが、本当にそうなのか、私には勉強不足で分かりません。

大内信哉先生の「雇用改革の真実」を読むと、以下の通りあります。

・36協定で設けることが可能な時間外労働の時間数には、限度時間が設定されている・・・
 例えば1か月の上限は45時間・・・1年であれば360時間・・・
・36協定に特別条項がついていれば、臨時的に限度時間を超えざるをえない
 「特別の事情」が生じた場合、限度時間を超えて働かせることが
 許容されている。そして、この「特別の事情」のチェックは必ずしも厳しい
 ものではなく、時間外労働が長くなる原因の1つとされている。

しかし、厚生労働省のホームページを見ると、「特別の事情」はかなり厳しそうに見えます

「特別の事情」は、「臨時的なもの」に限られます。
「臨時的なもの」とは、一時的または突発的に、時間外労働を行わせる必要のあるものであり、全体として1 年の半分を超えないことが見込まれるものを指します。限度時間を超えて時間外労働を行わせなければならない特別の事情は、限度時間以内の時間外労働をさせる必要のある具体的事由よりも限定的である必要があります。

これらは、あくまで厚生労働大臣告示であり、法律そのものではないので、
企業が長時間労働をさせても、行政指導の対象にはなっても、法律違反ではないということでしょうか?


あとホワイトカラーの仕事は、何が労働時間かが分からず、実務上は困難が生じるという、
しょうもない話(というと怒られるかもしれませんが)もあります。
再び、大内先生の本から引用します。

・トイレでも風呂でも散歩中でも、能は働く。アイデアが大切な仕事にとって、時間や場所は関係ない。
・労働者自らが必要と考え、自らの判断で積極的に働いているとき、その時間帯はもはや法律が関与すべきでは
 ないように思える。
・労働時間かどうかの判断基準は明確でない・・・こうしたことは、企業からの指揮命令が希薄で、ある程度、
 自分のペースで働くことが許されている労働者にはいっそう当てはまってくる。

いずれにせよ、ホワエグについては議論が錯綜していますね。私もそれに加担しているのかもしれませんが。