韓国の中国への歴史的感情について
韓国の日本への歴史的感情は棚に上げ、中国への歴史的感情について考えてみたい。
- 作者: 吉田光男
- 出版社/メーカー: 放送大学教育振興会
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
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本書を読むと、朝鮮半島は、現在の中華人民共和国に位置するの勢力からの侵略に苦しむことが、度々あったことが分かる。
・108年 漢、衛氏朝鮮を滅ぼし、楽浪郡など3郡設置。
・契丹(遼)は1010年から翌年にかけて40万の軍を派遣し、王都開京を破壊しくすほどの大打撃を与えた。
・1231年 モンゴル軍(後の元)の高麗侵入(以後、領土支配を受けたり、日本遠征にかりだされたりする)
・1627年 後金(後の清)軍の侵略(丁卯胡乱)
・1636年 清軍の侵略(丙子胡乱)
仁祖は・・・三田渡の地でホンタイジに対して三跪九叩頭という屈辱的な礼を強要され、・・・朝鮮はかろうじて滅亡を免れたが、その代償は大きかった。
にもかかわらず、韓国は、現在中国と、とても仲が良いと思うが、なぜなのだろうか?いくつか仮説をあげてみる。
仮説1 韓国は、本当は中国のことが嫌いだ(または怖れている)が、現実路線をとっている。
仮説2 侵略した相手は、漢を除くと、契丹・モンゴル・清と、「中華」ではない。なので、「中華人民共和国」への悪感情はない。
仮説3 侵略された、という事実を忘れている。
仮説4 侵略されたと言っても、為政者が被害を受けただけで、民衆には影響がなかった。
このうち仮説2について、清の時代、李氏朝鮮に小中華の思想が現れたことを考えると、当たっているかもしれない。一方で、現在の中華人民共和国の領土は、元・清の時代に形づくられたことを考えると、当たっていないかもしれない。
これから考えていきたいと思うし、諸賢のご意見を伺いたいところでもある。