2015-01-01から1年間の記事一覧

「21世紀の資本」その2

本書で最も気になったのは、次の箇所だった(P.423)。これこそが、格差拡大・固定が望ましくない理由であると、私は感じた。 1910ー1920年生まれの世代について・・・歴史上初めて、・・・勉学、勤労、そして才能のほうが、相続よりも実入りが…

「21世紀の資本」トマ・ピケティ

21世紀の資本作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森本正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (127件) を見るまずもって分析力、及び分析にかけたであろう労力に脱帽である。また、歴史的視野に立ち、数…

本日の日経記事「教育格差が未来を奪う」

お茶の水女子大学による全国学力テストの結果分析について書かれていた。親の年収や学歴を合成した指標(家庭の社会経済的背景=SES)と、子どもの学力との関係を調べた結果は、驚くべきものである。ただし、それへの処方箋に関する記述は、記事の性質上…

「日本的霊性」鈴木大拙

日本的霊性 (岩波文庫)作者: 鈴木大拙出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1972/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (60件) を見る「霊性」とは、物質と精神の二元論を超え、2つが1つで、1つでそのまま2つであるというもの…

「幸之助論 経営の神様 松下幸之助の物語」ジョン・P・コッター

幸之助論―「経営の神様」松下幸之助の物語作者: ジョン P.コッター,金井壽宏,高橋啓出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2008/04/03メディア: ハードカバー クリック: 3回この商品を含むブログ (15件) を見る果敢にリスクを取っていく姿に、ものすごい迫…

「インカとスペイン 帝国の交錯」網野徹哉

インカとスペイン 帝国の交錯 (興亡の世界史)作者: 網野徹哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/05/20メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (6件) を見るインカも周囲を侵略した帝国であり、周囲の恨みを買い、拡大・成長の限界にぶち当た…

デカルトについて

本年最初に読んだ本はこれだ。諸賢からすれば、「何を今さら」ということかもしれないが、本年は、根源に遡って考察すべく、古典と呼ばれるものを沢山読もうと、決意した。方法序説 (岩波文庫)作者: デカルト,Ren´e Descartes,谷川多佳子出版社/メーカー: 岩…

戦間期の家族と女性

近現代3 (岩波講座 日本歴史 第17巻)作者: 大津透,桜井英治,藤井讓治,吉田裕,李成市出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書第4章は、小野沢あかね氏執筆の標題論考である。男は外で仕事・女は…

日経ビジネス「日本人は甘え過ぎ 目指せ競争社会」を読んで

日経ビジネス1月5日号に、標題の記事があった。学校・会社にある「行き過ぎた平等」の事例をいくつかとりあげつつ、日本の将来のため、競争社会を取り戻そうを説く。そのうち、会社の事例について気になったので、取り上げる。1つ目は、金融関連企業の事…