本日の日経記事「教育格差が未来を奪う」

 お茶の水女子大学による全国学力テストの結果分析について書かれていた。親の年収や学歴を合成した指標(家庭の社会経済的背景=SES)と、子どもの学力との関係を調べた結果は、驚くべきものである。ただし、それへの処方箋に関する記述は、記事の性質上、分量・文字数に制約があるからか、短絡的にならざるをえなくなっており、同情する。

 SESは最低だが毎日3時間以上の家庭学習をする子どもがいる。
 かたや学習時間はゼロだがSESは最高という子どもがいる。
 双方の学力の平均値を比べてみると、小中学校ともに後者の方が上だった。
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 この不幸にどう手を打つか。そもそもの経済格差についての分析と対応とともに、教育への公的投資充実や魅力ある公教育づくり、幼児教育の見直しなど文教行政の側から取り組むべきことも山ほどあろう。

「双方の学力の平均値」の結果が、なぜこのようになっているか。思いつくままに仮説を立ててみた。まずもって、この理由を分析しないと、対策も出てこないだろう。

 ・高年収なので、お稽古事(ピアノ、珠算、スポーツ等)にお金を費やすことができ、これが知能発達につながっている。
 ・高年収なので、子どもの知能発達に役立つもの(絵本、知育玩具など)をどんどん買い与えている。
 ・高学歴なので、普段の生活、遊び、絵本の読み聞かせなどの中で、子どもの知能発達に役立つ声かけ・問いかけをしたり、経験をさせたりしている。
 ・「頭がよいと、高年収になりやすい」「頭がよいことは、遺伝しやすい」の2つがあいまった結果である。(この仮説は誤りであることを祈る)