インフラ投資是非は、冷静に議論すべし

本書を読んで、「公共事業は無駄だからやるべきでない」という考え方は、単なるステレオタイプの考え方であり、我が国も、まだまだインフラ投資が必要であることが分かった。また、東京一極集中になったのは、インフラ投資が東京に集中しているからであり、どの地方が成長したかしなかったかを決めたのも、インフラ投資次第だった、という記述は説得力があった。東京の出生率が低く、待機児童が多いことを考えると、地方へのインフラ投資がまだまだ必要なのかもしれない。一方で、「四大交流圏のため、新幹線をどんどんつくるべき」「GDPが伸びるなら、プライマリーバランスを気にする必要なし」という記述には、賛成できなかった。いずれにせよ、「インフラ投資はすべて無駄」「どんどんやるべき」という両極端に陥ることなく、現実を冷静に直視し、本当に必要なインフラを整備するというのが正解なのだろう。