AIによって労働が不要になると・・・古代ギリシアから考える
AIの進化によって、近い将来、労働需要が奪われることが危惧されている。しかし、古代ギリシア人の「市民」たちは、労働を奴隷たちに任せ、哲学の議論に終始したという。同じように、労働をAIに任せ、人間たちは高踏な議論に集中できる、夢のような時代が来るかもしれない。しかし・・・
- 作者: 桜井万里子,本村凌二
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: 文庫
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古典期には農業以外の生産労働、すなわち商業や手工業は市民にふさわしい労働ではない、という考え方が普及し、プラトンやアリストテレスにいたっては、市民は農業にも携わるべきではない、と考えている。生産労働には奴隷を用いるべきだ、というわけである。・・・奴隷が多用されるにしたがって自由人のあいだで労働を蔑視する傾向が強くなったものと考えられる。
古代ギリシアは、上記の時代を経て終焉を迎えることを考えると、やはり人間は働かないといけないのだろう。