役に立たない本を読むということ

日経新聞9月13日(日)に「半歩遅れの読書術」欄で、玄田有史氏が、ある会社の30代人事部員との会話を取り上げている。玄田氏が「大学時代に勉強したことで、仕事に一番役立っているのは何だと思う?」と尋ねたところ、その人事部員は、「もしかしたら哲学かもしれない」と答えたとのこと。玄田氏は、「それでも人事の仕事をやり遂げるのに必要なのは、人間を考え抜こうとする哲学である」と言う。


私の中で、以下の本の記述と結びついた。

働きざかりの心理学 (新潮文庫)

働きざかりの心理学 (新潮文庫)

飲み屋での上司・部下間の会話が取り上げられている。

部下:そう言えば、部長の読まれる本は経済や経営の本よりも、星の話とか神話とか、何か途方もない本が多いようですね。
・・・
上司:君は仕事熱心なのはいいが読書にしても視野が狭すぎるね。もっと直接には役立たない本も読むことだね。

最近、大学のあり方についての議論が喧しい。しかし、学部の構成やカリキュラムがどうなろうとも、人文科学は勉強しないといけないと思う。
かく言う私は、学生時代は形而上以外のことにしか興味がなく(かつ勉強自体甚だ不十分)、最近やっと仏教がおもしろいと感じ、勉強し始めたところなのだが。