「中国道教の展開」横手裕著

中国道教の展開 (世界史リブレット)

中国道教の展開 (世界史リブレット)

知識のない私は、道教とは老子の思想の発展したものくらいに思っていた。本書を読むと、それに加え、神仙術、符呪(おふだ)が主な内容であり、老子の思想は一要素にすぎないことが分かる。様々な要素があわさっており、どこまでが宗教なのか、そもそも宗教とは何なのか、考えさせられた。道教の歴史を追っていくと、日本と同様、中国も習合思想の国であると感じた。

そして、現代中国は超合理的思想の国ではないかと思っているが、こういう思想が根をはっているということに、物凄い底力を感じた。