「行動経済学」依田高典著

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)


ときおり難解な箇所もあったが、本書を読むことで、行動経済学について知ったかぶりができるようになった気がする。そして、経済学が社会科学である一方で、哲学でもあることを感じた。

人間はそこそこ利己的でもあり、そこそこ合理的でもあるが、完全に利己的、合理的なわけではない。これが行動経済学のとる立場である。


当り前だと思う。従来の経済学が、このことに今まで気づかなかったか、気付かないフリをしていたならば、何とも愚かであろう。

人間本性と社会経済システムの双方に対する骨太のビジョンが必要である。

著者の非常に高い志を感じる一文である。また、各界の人たちが蛸壺に入らないようにすることへの警鐘でもあろうと感じた。