「ブッダ最後の旅」中村元訳

ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経 (岩波文庫)

ブッダ最後の旅―大パリニッバーナ経 (岩波文庫)

法華経と並行して読んだいた。法華経では、ブッダは完全に神格化され、人智を超えた存在となっているが、本書では、ある程度神格化されているとは言え、人間としてのブッダの姿を見ることができる。仏教が長い歴史の中で、思想を積み重ねてきたことが、よく分かる。



そして、佐々木閑氏の解説をTVで聞きながら読んだので、理解が深まったと思う。
佐々木氏は本書で、「科学が発達した現代では、外界の超越存在はなかなか信じられない。どの宗教も心の問題に落し込まないと、現代人に受け入れられない。だから、それ程神格化されていない、人間ブッダの教えを説く原始仏教は、現代でこそ意義がある。」という趣旨のことを言っている。一方で、D・カーネギーは、祈り・宗教が人々を救うと述べ、超越存在を信じることの効用を述べる。


勉強・経験・思索を積み重ねて初めて悟りに至るのであれば、その人その人にあった道を選べばよいのだろう。