「法華経入門」菅野博史著

法華経入門 (岩波新書)

法華経入門 (岩波新書)


本書前半は、法華経の概略が書かれ、後半は重要な思想・考え方が説明されている。その重要な考え方とは、以下3点である。
 (1)すべての衆生を平等に成仏させる一仏乗
 (2)釈尊滅後の法華経の受持・弘道の主体者が地湧の菩薩であること
 (3)釈尊の永遠の生命


法華経全体の構造が分かりやすく説明されており、法華経自体を読んでみよう!という気になった。
そして特に(1)は、現代の私たちの心にも響く、素晴らしい考え方であると思った。

また、著者は「私は大乗経典の根本思想は救われる者から救う者への転換を自覚し実践することであると考えている」と言っている。まさにアドラーと同じことを言っていると感じた。