『感染症』井上栄著

 

感染症 増補版 広がり方と防ぎ方 (中公新書)
 

 本書のメインは、病原体の伝播経路、
特にSARS、新型インフルエンザ、エイズの特徴・感染予防を説くことにある。
補章で新型コロナが取り上げられている。
新型コロナ感染防止のためには、まだ分からないことは多いと留保しつつ、以下のとおり述べる。
 ・日本人の清潔行動文化を国民が意識し、かつそれを効率的に活用すること
  (マスク、手洗い、箸、握手でなくお辞儀、風呂、家で靴を脱ぐ)
 ・特に、マスク、手洗い、閉鎖空間で大声を出す集会を避けることが重要
  なぜなら、感染経路は口であり、
  飛沫・接触(手)・空気媒介感染(塵埃)で感染する可能性があるから。
新型コロナは、日本・世界全体の問題であり、
あらゆる層の人々が感染症について知見を高め、
それぞれの立場で活かしていくべきである。本書はその大きな一助となるだろう。