「経済思想」猪木武徳著

経済思想 (モダン・エコノミックス 24)

経済思想 (モダン・エコノミックス 24)

 市場・政府・貨幣・社会主義・労働等、経済学のあらゆる領域について、ギリシア思想から根源の考え方を説き起こしていく、ものすごい本です。各文章に、著者の博識と深い思索が感じられ、圧倒されます。何を考え、行うにしても、歴史や思想をおさえないと、薄っぺらなものになると、強く感じました。
 電子化が進むことにより、「残された職務は単純作業と頭脳作業に分極化するのではなく、むしろ「仕事の複合化による高度化」が進行するのが一般的傾向」と著者は言います。たとえロボットがオフィスで仕事をするようになっても、人間のやることは残るが、その中身は相当高度になっているということでしょう。